北へ帰るのを忘れた?ガン 2004.3.28トピックス
手賀沼遊歩道で ゆったり のんびり
冬が終わって、漁協前にたくさん集まっていたカモたちは、北へ帰りました。今日はハトが春の陽気を楽しんでいます。 ところが、北へ帰らずに手賀沼の遊歩道に上がりこんでいる、ガンの仲間がいます。悠々と散歩したり、ジョギングの人が通っても、逃げようとしません。
図鑑に載っているガンと比べると、よく太っているように見えます。手賀沼の食事がおいしくて、飛ぶのはイヤになったのでしょうか。 こんなに人が近づいても、座りこんだまま、カメラに顔を向けています。この撮影場所は、ふれあい市民農園付近。
2004.3.28撮影
【鳥の博物館から解説】
この鳥たちは、1999年5月3日の早朝、4羽で手賀沼に入った、カナダガンです。
カナダガンは、北米で良く飼育されているやや大型の種。
その年の6月ころから、茨城県の牛久沼と手賀沼を行ったりきたりしていましたが、秋ごろには牛久沼に1羽が残り、3羽は手賀沼にいついてしまって、現在に至っています。
牛久沼の1羽は、ガチョウと番(つがい)になってヒナが産まれています。
ハイブリッドといって雑種です。自然界では困った問題なのです。手賀沼ではそのような事が起きていないので、今のところは安心しているのですが・・・、

さて、このカナダガンはいったいどこから来たのでしょうか?
昔は日本へも、冬になると冬鳥としてやって来ていましたが、現在はごく少数が東北地方などにやって来るだけになってしまいました。
手賀沼にすんでいるカナダガンは、どうも飼育されていたものの子孫のようです。分かっていることは、静岡県の富士墓地霊園の公園内にある池にいたものが、たくさん子どもができて飛び出して、周辺で生活しているカナダガンの子どものようなのです。

「カナダガン」の名前について
カナダガンはシジュウカラガンとも呼ばれ、混乱していますが、どちらも同じ種です。種カナダガンにはたくさんの亜種があり、手賀沼で見られる亜種は大型で飼育されやすい、アメリカ大陸中部で繁殖する亜種カナダガンです。

日本にもともと冬鳥として渡来していたものは、アメリカ北部で繁殖する亜種シジュウカラガンです。日本鳥類目録では日本に渡る亜種の名前を種名としたため、上記の種カナダガンをシジュウカラガンと呼ぶことになり混乱しています。
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