ちばコープテーマネット 不登校親子応援ねっと&ファミリーサポート・勇気づけ主催
第二回東葛飾エリア不登校支援団体交流会 報告書  2012.2.4掲載
<日 時> 2011年10月28日(金)
<場 所> 第一部 14:30〜17:30 松戸市女性センター
                                   ゆうまつど3階 研修室
        第二部 18:00〜20:00 鳥良 松戸店
<参加者> 一部と二部合わせて 18団体 35名

「顔の見える関係になろう」を目標に催した昨年に続いて、今年は「相談し合える関係になろう」をテーマに、大勢の方にご参加いただき、終始和やかな雰囲気で交流が行われました。
皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
事前アンケートの結果について (アンケート回答数23通、別紙参照・当日参加団体には配布済み)
1 現在情報交換や連携を必要と考えている課題は?
財政・資金繰り(11) 人材育成(11) 具体的事例検討(10) 利用者の相互紹介(8)
進路・就職情報(11) その他(事業展開、行政との連携、広報、イベントの相互参加、発達障がいとの関係など)
2 今後、不登校支援団体がどうありたいか、団体としての展望は?
就労サポート、親への支援、団体の連携と相互支援、公的機関との協働など
3 当日話し合いたいテーマについて
支援者同士の協力体制、団体の存続、悩みの解決方法・困っている親へのアドバイス方法、教育現場の支援と心理の立場からの支援の違い、接触できない子どもへのアプローチ方法、異業種交流とネットワークなど
4 メーリングリストの開設について
参加したい(17) 参加しない(0) 未定もしくは検討する(5)
グループセッション
お互いに相談し合える関係を築くために、3つのグループに分けて話し合いを行いました。
各グループで話題に上った事柄を簡単にまとめました。
◎グループ1(フリースクール・居場所)
・不登校や高校中退、家庭にいろいろ問題があるなどの若い人も受け入れている。スタッフは退職教員などが中心で、多くいる。むしろ、利用者の方が少なく、人材が活用されていない。利用料は無料、経済的困難家庭の子どもにも活用してもらいたいが、なかなか周知せず、広報が課題。

・スタッフは十分足りている。給料も支払われている。運営上必要な金額は、利用者負担。経済的困難家庭への支援もしている。公的支援を受けて安定した運営をしたい。

・不登校の子どもたちの心の傷は深いので、あたたかな家庭的雰囲気を大切にした運営をしている。

・スタッフは不足している。すべて無償のボランティア。収益活動自助努力。利用料は経済的理由で制限されないよう低額。運営資金面、人材育成、スタッフのモチベーションの維持に課題。

・スタッフはほぼ足りている。給料も支払われている。利用料は経済的理由で制限されないよう低額。

・利用希望者が、急増している。一人ひとりを大切にした支援をしているが、運営上、受け入れ困難な状況にある子どもの場合は、検討させてもらっている。

・適応指導教室に馴染まない子どもに民間の居場所やフリースクールを活用してもらいたい。

・子どもの福祉上、どの子も健全に育まれる権利がある。家庭の経済的理由で制限されないよう必要な資源を選べると良い。

・学校から様子を聞いてくることがない子どももいるので、施設側からアプローチするしかない。家庭の問題が、子どもを通して表出する場合もある。スタッフは、とても努力している。行政、教育機関の理解と連携や支援がほしい。居場所やフリースクールは、地域の資源。

・勉強は個々にスケジュールを作って進めている。高卒認定コースを設けることもある。高校中退の子どもをサポートしたいが、なかなかやって来ない。

・高校中退、中高一貫校で不登校の子どもの相談など増えている。

・川崎市の公設民営の居場所を見学してみたい。

◎グループ2(親の会)
・親の会に人が来なくなった。教育委員会も親の会を始めている。自分たちは、宣伝もしないので、多くて2〜3名の集まり具合。最近は不登校よりひきこもりの相談が増えている。

・親が学習することが子どもにとって必要。親の会の役割の一つである。

・自身のうつ病体験から子どもの教育に関する活動を始めた。この活動は子どもだけでなく大人との関係でも応用できるので、社会みんなで幸せになれる。

・親の会では誰でも否定されない。親の会で親自身も自己肯定感を取り戻していく。

・親の会の役割は悩みを聴くこと。気持ちを軽くして家に帰って欲しい。

・親自身が元気になる企画をやり、それぞれの親が得意な分野で活躍できる場を創っている。それが会の財政活動にもなっている。

・発達障がいが原因で不登校になっていると思われる場合は、連携し合っている発達障がいの親の会について情報提供している。

・親の会はメンバーそれぞれが重い問題を抱えていて話がまとまりにくく、前に進みにくくなってきた。

・親が変われば子どもも変わる。

・発達障がいのために不登校になった子どもたちがフリースクールを卒業、成人となり、恋愛や結婚の相談などを受けるようになったが、どのように対応・支援をしていったらよいか難しい。

◎グループ3(青年期の支援)
・3年前に夜間中学のメンバーで結成。登録は26名で中2〜78歳。カンパ金で場所代を払い資金繰りをしている。スタッフ同士の温度差(意識差)が課題。15年〜16年前から子どものことで悩んでいる。公に実態を伝えて悩みを打ち明けられる場所として、世に知らせてゆくことが必要と認識している。

・情報の重要性を活動やこうした話し合いの場で認識している。

・人材と情報の重要性を普段の活動の中で感じている。

・基本不登校から発達障害や統合失調症などの子を受け入れている。通信制大学との提携をしている。教職免許を取りたい若者もいる。フリースクール協会所属。不登校・発達障害の子どもたちのための進学セミナーを9月〜3月で月1回実施している。団体が経済的に自立して、運営するのは大変である。フリースクールへの行政からの経済的支援が必要と訴えている。

・名称を「親の会」から「家族の会」に変更した。就労が第1目的ではなく存在自体の承認が究極必要ではないか。働くことはなかなか難しいし、ベーシックインカムの必要性と自己肯定の必要性を感じる。

話し合いを終えて(まとめ)
それぞれのグループで話したことを全体で共有しました。
その中で目立ったのは、近くにあるのにお互いの存在や活動の内容を知らなかった、こうして顔を合わせて話す機会を持てたことがとても良かったというものでした。皆、抱えている問題は同じで、現代の生きづらさの中でどうやって生きていくか、語り合うことができて良かったという意見もありました。

第二回交流会を終えて
今回も多くの方にご参加をいただき有難うございました。
当日は、事前のアンケートで話し合いたいことを募らせていただいたにも関わらず、テーマに触れる時間が少なくなり残念でしたが、互いの活動について情報交換ができたのは有意義だったとのご感想を多くいただき、ほっと胸をなでおろしました。

学校に行けない状態からひきこもり状態へ移行し、さらには精神障がいという病に悩む家庭も少なくありません。親の会の年齢層は年々高くなっています。もはや学校という教育分野にとどまる問題ではなく、医療や福祉分野の関係機関との連携は必至であり、その分野での家族会や自助グループなどとも交流を深め、各団体が相談者の多様化する悩みにできるだけ応えることができるよう情報や活動の場の確保に努めることが必要だと感じました。

アンケートのご回答でメーリングリスト参加希望の方が多かったことからも情報共有の場のニーズの高まりを感じています。顔を合わせての交流からメーリングリストによる交流、個々のニーズに合わせての交流など発展的なネットワークを活用して、支援者自身もひとりで悩まないで、相談し合える関係を築いていきたいですね。
メーリングリストにつきましては、整備を進めています。近くご案内できると思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

今回の交流会、この報告書などにつきましてご意見、お問い合わせがありましたら、下記へお願いいたします。

平成23年12月
ちばコープテーマネット 不登校親子応援ねっと
代表  山本 知子
TEL/FAX 04-7182-0605
E-Mail f.ohen-net@live.jp
■よりみちひろばTOP                 ■もどる